全日本インカレ直前情報①国士舘大学個人<上>いよいよ、明日、インカレが開幕する。今年は、男子も女子も、そして、個人も団体も、とても激戦になりそうな予感がする。圧倒的なスターの存在も、競技の発展と普及のためには必要ではあるが、実際には多くの選手やチームが力をつけ、群雄割拠を実現していくことこそが、競技全体の振興にはつながると私は思う。プロ野球を見ても、巨人は昔のような常勝チームではなくなったが、だからと言って野球がつまらなくなったわけではない。田中将大のように楽天のような新しいチームで凄まじい活躍をする選手も現れる、それが野球の活性化につながっている。しかし、今は。こと個人に関しては、十分に達成できる可能性のある「目標」なのだ。●佐能諒一ルーキーながら、ことによっては「国士舘の王座奪還」を成し遂げてしまいかねないポテンシャルをもっている。井原仕込みの美しい動き、見るものをハッとさせる緩急のある演技は、1年生ながら上級生達を凌駕するものがある。動きの美しさや表現力だけでも抜けた力をもっているうえに、手具操作でも魅せられるのが、彼の強みだ。しっかり通れば、点数を出さざるを得ない!そう思わせる力がある。「初めてのインカレなので、全力で頑張る!それだけです。東日本インカレでは、後半種目でミスが出てしまったので、今回はそうならずに4種目しっかりやりたいです。」●糸井 謙高校時代には、目立った実績はなかった。1年生だった去年は、東日本インカレ止まりの選手だった。それが、今年は見違えるほどの成長を見せている。東日本インカレでは、種目によっては限りなく9点に近い得点もマークした。去年に比べてミスが減ったことも顕著だが、それだけではない。はじめから「なんとなく美しい線」はもっている選手だったが、今はそこに磨きがかかってきた。正真正銘の伸び盛り!こんな急成長を見せる選手が育つのが、今の国士舘の強さだ。「インカレでは、東ではのせられなかった9点台を出したいです。ひとつひとつの動きを大きく、深くと心がけて動きの幅を出せるように練習してきたので、そこを見せたいです。」●赤井龍也ミスなく通せれば、さらっと9点台も出せる素材ではある。スラリとした長身でスタイルもよいので、何をやっても様になる。タンブリングも弱くない。いかんせん、これまでの試合では、いくつかの種目で大きくミスをして順位を落としてしまうことが多かった。それさえなければ、今後の国士舘個人の柱にもなっていく存在だと思うのだが。インカレでは、がむしゃらにノーミスをもぎ取るような演技を見せてほしい。そうすれば、自ずと結果はついてくるはずだ。「東日本インカレでは、悔いの残る演技をしてしまったので、インカレで挽回したいと思っています。リングが構成を新しくしたので、少し不安もありますが、なんとか4種目まとめて、自分も見ている人も納得できる演技をしたいと思います。」●畠山可夢昨年のルーキーの中では、国士舘大学内でトップの成績でジャパンにも出場したが、決して順風満帆だったわけではない。高校時代の貯金でインカレを乗り切ったあと、構成を変えていよいよ大学生の演技にしていこうというときに、なかなか方向性が定まらなかった。くせや欠点の少ない素直な演技をする選手だけに、どこかサラッとしすぎている、印象が弱い。その殻を破りたくても、どこを強みにしていけばいいのか迷っていた時期もあった。しかし、今は違う。彼はやっと欲をもった。自分の演技で人の心を動かす、それを本気で目指すようになった。契機になったのは、クラブだった。「神様のカルテ」のピアノ曲を使った今までになく、しっとりと心に沁みるような美しい演技。はじめは「動きの硬い自分には無理」と諦めかけたというが、先輩の演技にも触発され、少しでも近づけるようにとやり続け、高い評価も受けるようになった。この経験で、彼は「演じる」ことに開眼したように見える。種目ごとに色合いは違うが、それぞれに彼が見せたいもの、描きたいものが伝わるようになってきた。
1年生のときから、点数は出せた、ある程度の結果も出せた選手だが、ただ巧く演技をこなしていた1年前とは、まったく違う選手になったのだ。「今年のインカレは、正直少しびびってます。下級生達が強いのがわかっているから、去年はジャパンにいけたから今年もいけるだろう、なんて甘いものじゃないとわかっているので。でも、自分の演技をしっかりできればいけるはず!と信じて、自分の力を出し切りたいです。全種目ノーミスをもちろん目指しますが、最悪、ミスが出ても最低限に抑えることを心がけます。そうしないと、ほんとに今年はキビシイと思うので。」<撮影:清水綾子>※ジムラブに「2013全日本インカレ女子出場選手D班後半」をアップしました。
http://gymlove.net/rgl/topics/report/2013/08/24/d-1/※ジムラブに「九州ブロック大会」を、横田泉さんがアップしています。
http://gymlove.net/rgl/topics/report/2013/08/24/post-48/
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