第1ローテーション日本と団体金メダルを争う国が2カ国登場。中国は跳馬からスタートであったが、LIUがドリッグスで着地が低く後ろに一歩、LINはロペスをきれいに決めたものの、ZHANGはシライ/キムヒフンで着地がやや乱れてしまい、最後のDENGはヨー2で前のめりの着地となった。ロシアは鉄棒からスタートであったが、NAGORYNYYがコールマンで落下。KUKSENKOVはアドラー1回ひねりで戻ってしまい、BELYAVSKYは伸身トカチェフやモズニクを決めたものの得点は伸びず。ウクライナはゆかからスタート。VERNIAEVは着地での動きが多くなって得点が伸びず。第2ローテーション中国は得意の平行棒であったが、ZHANGがマクーツで倒立に上がり切らずバランスを2度崩し、LINもヒーリーで同じように倒立で戻りかけてしまう。このようなミスが出ていいたものの、全員が15点台をマークし、DENGが屈身モリスエやバブザーなど素晴らしい捌きを見せて15.800の高得点を出したほか、YOUが15.733、LINも15.700としてチーム得点は47.233とした。ロシアはゆかに回り、白井の好敵手であるABLIAZINが注目されたが、屈身アラビアン2回宙で尻もちをついてしまった。BELYAVSKIYも同じく屈身アラビアン2回宙でラインオーバー。ロシアはゆかで思った得点が出ず。ウクライナはVERNIAEVが15.566をマークしたものの、ほかの選手が得点を伸ばせず。第3ローテーションロシアはあん馬でKUKSENKOVとBELYAVSKIYの二人が15点台をマークしてノーミスの素晴らしい演技を続けた。チーム得点はイギリスに次いでこの種目の2番目の得点を出した。一方、中国は最初の3名がモズニクを多用してきたものの、ややひねりが不足気味なのが影響したのか得点が伸びず、最後のZHANGはコールマンで落下してしまい、15点台がいないという状況となってしまった。チーム得点としてはここで大きく点数を落としてしまった。ウクライナはVERNIAEVとRADIKOVというポイントゲッターがつり輪で得点を稼いだものの、ほかの2選手が13点台に留まり、チーム得点を伸ばすことができなった。ゆかに登場したルーマニアのドラグレスクは新月面の着地で手を着いてしまい、12点台に留まった。第4ローテーション中国はゆかでもミスを重ねて点数を下げてしまった。最初のLIUは後方2回半~前方2回ひねりで尻もち、続くLINは後方1回半~前方2回ひねりでかなり低い着地となった。DENGは最後の後方3回ひねりの着地こそ大きく一歩動いたがそれ以外に目立つミスがなく、ZHANGも前方1回半~後方2回半などノーミスで乗り切った。ロシアはつり輪でABLIAZINが伸身新月面の着地をきれいに止めて15.633をマーク。ほかの選手も14点台中盤以上で得点をまとめて、この種目のチーム得点は日本を上回った。跳馬のウクライナはVERNIAEVがドラグレスクをうまくまとめた後、ロペスの着地を止め高得点をマーク。そして、RADIVILOVはドラグレスクで着地を止めたが、ルーユーフーで左にラインオーバー。それでも15点台を出して種目別決勝に二人とも残れる可能性が大いに高まった。第5ローテーションあん馬で得点を落としたくない中国は3人だけの演技ではあったが、LINがロス、フェドルチェンコといったところの捌きでうまさを見せて15.033をマーク。DENGとYOUも14.866、14.966として、チーム得点も45点近くまで上げてきた。得意の跳馬の演技となったロシアは、NAGORNYYがドラグレスク、BELYAVSKIYがルユーフー、そしてABLIAZINがリセガンを決め、順当に得点を稼いだ。ABLIAZINは2本目はリシャオペンを跳び、跳馬の種目別予選で2位につけた。ウクライナはVERNAIEVが最も得意とする平行棒で棒下宙~シャルロ~単棒ヒーリーなど見事に決めて16.166という今日の最高得点をマーク。しかし、他の選手は15点台にも届かず、チーム得点は伸びず。第6ローテーションアメリカを上回る可能性が十分に出てきた中国は、つり輪でDENGとLINこそ点数は伸ばせなかったが、つり輪を得意とするLIUとYOUで16点近くの点数を出した。YOUは伸身グチョギ~リニンを決め、最後の伸身月面は着地まで止めて、15.800をマーク。この得点でアメリカを0.056上回り、中国が団体予選トップ通過を決めた。ロシアは平行棒でも素晴らし演技を披露した。NAGORNYYこそミスが出たが、それ以外の選手たちは15点台の得点を出し、BELYAVSKIYはドミトリエンコ、バブザーなど素晴らしい実施で、最後の前方かかえ込み2回宙ひねりまで見事に着地を止めて15.933をマーク。この得点でロシアは日本を0.318上回り、団体予選3位通過とした。日本は残念ながら4位通過となった。ウクライナは最後の鉄棒でもVERNIAEV以外が得点を伸ばせなかったものの、VERNIAEVはヤマワキひねり、トカチェフひねり、アドラー1回ひねり~ヤマワキをしっかりと決めて、最後の伸身月面もピタリと着地を止め、15.133をマーク。この結果、VERNIAEVは個人総合予選で内村を上回り、トップで通過することとなった。跳馬ではベテランのDRAGULESCUドラグレスクが、自身の名前の付いたドラグレスクの着地を見事に決め、2本目もリシャオペンを実施して15.283をマーク。この結果、白井、DRAGULESCU、RADIVILOV、NAGORNYYが同じ得点で並んだが、EスコアでDRAGULESCUは5位となった。全体的にどのチームもミスが出てしまい、結果的にその中でも得意種目でしっかりと得点を出したチームが予選で日本を上回った。日本は跳馬で1位、ゆかで2位のチーム得点をマークしたが、得意の鉄棒と平行棒でミスが重なり得点を伸ばせなかったのが予選の順位に繋がったといえる。決勝では日本はあん馬からのスタートということで、奇しくも予選と同じになったが、5-3-3のシステムでの戦いに変わり、ミスが許されない状況の中では予選とは全く違う戦い方になる。ロンドン五輪でも結果的に激しいメダル争いを繰り広げたが、今回は上位国すべてに金メダルのチャンスがあるといえる。日本にとっては一層厳しい戦いとなるが、予選トップの中国に対して気持ちを新たに挑んでもらいたい。そして、演技順として中国よりも先に最終種目の演技を終えるが、是非素晴らしい演技を続けてプレッシャーを与えて、相手の結果を待つような状況に持ち込むことに期待したい。■予選結果
1位中国 270.461
2位アメリカ 270.405
3位ロシア 269.612
4位日本 269.294
5位イギリス 268.670
6位ブラジル 268.078
7位ウクライナ 263.002
8位ドイツ 261.518
9位スイス 260.262
10位オランダ 257.686
11位韓国 257.645
12位フランス 257.211
■個人総合予選
1位 VERNIAIEV O UKR 91.964
2位 UCHIMURA K JPN 90.498
3位 BELYAVSKIY D RUS 89.799
4位 DENG S CHN 89.665
5位 WILSON N GBR 89.240
6位 KATO R JPN 89.232
7位 MIKULAK S USA 89.041
8位 SASAKI S BRA 88.898
9位 KUKSENKOV N RUS 88.848
10位 LIN C CHN 88.631
11位 MARIANO A BRA 88.465
12位 WHITLOCK M GBR 88.232
13位 CALVO MORENO JO COL 87.506
14位 DEURLOO B NED 86.990
15位 LARDUET M CUB 86.814
16位 LIKHOVITSKIY A BLR 86.765
17位 BROOKS C USA 86.331
18位 STEPKO O AZE 86.208
19位 BRAEGGER P SUI 86.199
20位 NGUYEN M GER 86.098
21位 AUGIS A FRA 86.032
22位 BRETSCHNEIDER A GER 85.698
23位 YUSOF E SUI 85.365
24位 GEORGIOU M CYP 85.289
■種目別予選(日本選手決勝進出者)ゆか:内村(3位)、白井(6位)あん馬:なしつり輪:なし跳馬:白井(3位)平行棒:加藤(8位)、内村(9位/補欠1)鉄棒:加藤(11位/補欠3)
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