体操世界選手権・男子団体。素人目には一見不可解な採点で、中国が逆転の金メダルとなった。最終演技者の得点が出た時の選手の「え?そんな点が出るの?」という表情が、競技者目線からも想定外の採点だったことを物語る。こりゃあ、女子フィギュアスケートの《韓国とキム・ヨナ叩き》の時のような記事で、スポナビが賑わってしまうのか・・・・・・と思ったが、「体操」のタグでは体操協会のレポートが粛々と上がってくるくらいで、「あの採点ガー」という記事を見かけないのは、ここのユーザーが概して冷静なのか、それとも世間一般の注目度が・・・・・・ツイッター界隈では、その手の声が案の定湧いているようで、たとえば相変わらず、「パッと見、納得できない結果」→「組織的な八百長があったに違いない」→「だから●●って国は・・・・・」という「論(になっていないが)」である。今回の採点、とりわけ最終ローテーションでの【Eスコア】は、純粋に技術的な「出来栄え」ばかりでなく、開催国の大声援に後押しされた部分があるのではないかと、私も思う。「場所の差」(内村)「採点競技の怖さ」(加藤)という選手のコメントや、田中のというツイートは、採点競技につきまとう宿命への、問題提起なのだ。感情的に「八百長」「不正」を言い募り、ヘイトスピーチに材料を提供するかの如き「論」は、選手たちが率直に指摘した問題意識を具体化し、採点競技につきまとう課題を少しでも改善する力にならないばかりか、かえってその妨げになってしまうに違いない。
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