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Channel: 体操
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2014全日本社会人大会ハイライト

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長野県松本市で行われた全日本社会人新体操選手権大会に行ってきた。社会人大会は、本当にいい試合だな、と思う。その思いは年々強くなっているのだが、今年はまたいちだんといい試合だった。素晴らしい演技もたくさん見ることができたし、たくさんのエキシビションもすばらしかった。久しぶりに「終わってほしくない」と思う大会だった。さまざまな感動があったが、その中でも、クライマックスだったのが、男子団体2部と女子団体3部のトリではなかったか。男子団体2部は、その名も「OG3-RG」というチーム。全員が33~34歳の同級生たちによる団体だった。それぞれの選手がかつてはかなり濃密に新体操をやっていた。日本一を経験した人もいる。しかし、現在は、それぞれに仕事をもち、自分が体を動かすという形では新体操から離れて久しい「おじさん」達だ。それでも、「団体やろうぜ!」と話がまとまったものの、6人全員が集まったのは、大会当日。そんな無茶なチームではあったが、集まって練習できないなりに、それぞれに頑張ってきたんだなあ、と思わせるだけの演技はしてくれた。中には、「まだ現役でやれるんじゃないの?」な人もいた。演技終盤では、「息はできているのか?」「倒れるんじゃないか?」と心配になったが、6人そろって無事、演技を終えることができた。無事だっただけでも上出来だが、演技の出来も、あまりコメディにはならず、決して笑えるものではなかった。大先輩たちの演技に、観客席からは大声援がとび、フロア脇のアップスペースにいた選手たちも、食い入るように見つめ、演技終了後は跳び上がって拍手していた。みんなが笑顔、笑顔、笑顔。おじさんたちは、大会のヒーローになった。●男子団体2部優勝:OG3-RGの動画はここをクリック!そして、彼らを上回る喝采を浴びたのが、女子団体3部の「THE ARI」だ。このチームは、入場からふるっていた。「撮影禁止」!!!それもそのはず。メンバーは、橋爪みすず、臼井千奈美、鈴木あおい、田玉雅美なのだ。いろんな意味で、映像を残すわけにはいかなかったのだろう。この迫力満点のメンバーから「撮影禁止」と言い渡されたら、とてもその禁を破る度胸はない。ないが、そこは我々は「報道」だ。あっさり引き下がるわけにはいかない。我らがカメラマンが、命がけで撮ったスクープ写真がこれだ。「撮影禁止」と言っておきながら、なんと笑顔の輝いていることか!立ち姿だって、やはりしゃんとしている。そりゃあ、難度や交換は・・・だが、会場を沸かせる力は十分だった。やっぱり、みなさん「新体操が大好き!」なんだな、と感じられる演技だった。そして、このチーム対する会場中からの声援、歓声の温かさがすばらしかった。新体操が大好きで、ずっと新体操にかかわり、情熱を注いできたこの先生方のことを、みんなもまた大好きで、リスペクトしている。その空気が、本当に温かかった。「OG3-RG」や、「THE ARI」。こんなチームが、こんな演技を見ることができるから社会人大会は最高! なのだ。そして。今回の社会人大会の盛り上がりは、この観客の多さにも表れている。決して少なくない松本市総合体育館の観客席がここまで埋まるとは!正直驚いた。数年前まで、社会人大会は、どことなく「ひっそり」と行われる大会だった。結果もあまり注目されることもなく、全日本選手権に出場している選手を見てはじめて、「社会人大会で勝ち抜いた選手」を知るような感じだった。それが、徐々に注目度もあがってきて、今年度はついにここまでの観客動員を果たした。それはもちろん、開催した長野県の取り組みに負うところが大きかったとは思うが、こうして一度、足を運んでもらえれば、「また行ってみよう」と思う魅力が社会人大会にはある。まだ見たことのない方は、ぜひ一度、社会人大会を見てみてほしい。新体操経験者だったら、きっと「次は自分も出たい」と思うこと間違いなしだ。まだ正式決定ではないが、来年は茨城県での開催になりそうとのこと。東京からのアクセスもよく、多くの参加者が期待できるのではないだろうか。今回、長野県の踏ん張りで過去最高の参加者数と盛り上がりを見せた社会人大会。この流れが、来年以降にも続くことを期待したい。<撮影:赤坂直人(「THE ARI」)>

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