昨日の高体連関東大会個人総合は、以下のような結果になった。(会場から情報を送ってくださった方に感謝!)1位:山口聖士郎(光明学園相模原高校)2位:一戸佑真(光明学園相模原高校)3位:林 雅己(埼玉栄高校)4位:斉藤裕磨(埼玉栄高校)5位:竹内 陸(光明学園相模原高校)6位:石川裕平(国士舘高校)山口選手、まさに「調子にのっちゃって」くれたようだ。得点を見ると、スティックが9.300、クラブは9.375ともちろんノーミスだったのだろうが、ノーミスのときに出る得点の底上げに成功している。同じ光明の一戸選手も、見事にユースのリベンジ! スティック9.225、リング9.200とこちらもなかなかの高得点だ。林選手の3位はちょっと意外だが、スティックで落下があったとのこと。力のある選手でもミスが出れば順位が下がってしまうというのは、選手層が厚くなってきた証拠ともいえる。さらに、6位には、国士舘高校の石川選手が入った。ユースでも9点台にのせたスティックは、今回も9.100。安定した力を見せている。東京開催の今年のインターハイでの東京代表だけに期待したい。さらに、8位には、同じ国士舘高校の佐藤守弘選手が入ったのも嬉しい驚きだ。佐藤選手は、体操競技の経験があるものの、新体操歴はまだ浅い。しかし、体操の素地があることに加えて、非常に美しいつま先、甲をもった選手で、将来性を感じさせる選手ではあった。しかし、いかんせん手具操作ではまだまだ苦労しているように見えていたが、今大会では2種目とも8点台まであげてきた。東京開催で出場枠が2あるため、佐藤選手もインターハイに出場するが、あと2か月でどこまで成長を見せてくれるか、楽しみな選手だ。さて。今日は団体が行われるが、なんと言っても本命は、先週の男子団体選手権で連覇を成し遂げた埼玉栄高校だ。例年、エンタティメントともいうべき作品を見せてくれる埼玉栄だが、今年は例年とはひと味違った作品を見せてくれる。もちろん、従来のよさも健在で、埼玉栄は、独自路線を確立しつつも、芸風(!)を広げてきているように思う。その根底にあるのは、徹底した基礎力。タンブリングや徒手などの基礎が本当にしっかりしており、選手たちの平均値が高い。オーソドックスな体操をしているだけに、卒業生たちはどこの大学に行っても、団体でも個人でも力を発揮できている。「高校生の新体操」としてとてもまっとうで、健全。それが作品にも表れている。近年の埼玉栄の作品の好感度の高さは、大会での順位に関わりなく常にトップクラスだ。石田監督が、いつも口にする。「挑戦者だから、できることを一生懸命やるしかない!」それが、チーム全体に浸透しているのだな、と思う。そんな彼らの一生懸命さが見るものを感動させ、結果的に、彼らの演技はかっこよくも見えるのだ。関東大会でも、埼玉栄らしい「一生懸命な」演技を見せてくれることを期待したい。関東大会の個人では1位、2位、5位と大活躍だった光明相模原高校だが、その成績が示すように、団体も侮れない。男子団体選手権では、タンブリングでのしりもちやラインオーバーなど、いくつかの目立つミスがあり、実施がのびなかったが構成は9.300と上位争いに十分からめる点数が出ている。個人での勢いが、団体にも乗り移れば、かなり面白いことになるのではないか。線の美しい選手の多い光明の団体は、なんでもない上挙ひとつ、側挙ひとつとっても絵になる。その美しさを団体でもいかんなく発揮してほしいものだ。その光明と同じ構成9.300を男子団体選手権でマークしたのが、前橋工業高校だ。前橋工業も鹿倒立、バランス、交差での接触など、ミスが目立った。しかし、それでも構成は9.300、実施8.575が惜しまれる。例年、美しい作品を見せてくれる前橋工業だが、今年の作品は、ちょっと独特な雰囲気をもっていた。団体選手権ではいくつかのミスが残念だったが、それでも強烈な印象を残すことはできた。そして、多くの人に、「ノーミスで見たい」と思わせることには成功したと思う。光明同様、ミスがなければ十分上位争いにからんでいけるのが、前橋工業であり、今年の作品ならなおさらだ。まずは、関東で手ごたえを感じられる演技ができることを期待したい。チームの能力、キャリアなどは、上の3チームとは同列には語れないが、団体選手権で鮮烈な印象を残したのが、袖ケ浦高校の団体だった。得点14.150と決して高くはない。たしかに経験の浅い選手が多いのだろう、タンブリングになると素人くささが露呈する。現状ではまだ高い得点は望めない。が、彼らの演技は、得点以上の印象を残した。それは、現時点でできること、を120%ちゃんと見せることに成功していたからだろう。また、まだ能力が高くなくても「団体体操」としてよく見せることはできる、ということを感じさせてくれる演技だったからだ。こういう演技は、上位には入れなくても、やはりいい。おそらく、一戦ごとに力をつけていき、モチベーションもあがっていく時期だろうチームだ。関東大会でも、また1つステップアップしてくれればと思う。今大会には、国士舘高校も4人編成ではあるが、団体で出場してくる。2年前の選抜大会を機に団体も復活した甲府工業高校も、着実に力をつけてきている。今年の関東大会、団体も楽しめそうだ。※関東大会には行けずに、NHK杯体操に通っている私ですが、昨日の女子個人総合のニュースがスポーツナビに掲載されました。手に汗にぎる3番手争い、そして優勝争いも熱かった! ぜひお読みください。●NHK杯女子ニュース リンクテキスト<撮影:清水綾子>
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