新体操が好き!~国士舘大学集団演技「華」5月になった!いよいよ本格的に新体操シーズンが始まる。まずは、5月10~11日の東日本インカレ!本番まで2週間を切り、どのチーム、選手もシーズン最初の試合に向けて頑張っているに違いない。もちろん、私も忙しくなる。なぜなのかわからないけど、今でもまだ「新体操」を見ずにはいられない。こんな風に過ごすのは、あと何年なのかわからないけれど。さて、11月のオールジャパンから、東日本インカレまでが一応、シーズンオフなのだろうが、まあ、その間もいろいろな新体操イベントがあった。紹介したいと思い、見には行っているのだが、紹介しきれないままシーズンインしてしまうと、お蔵入りになってしまいそうなので、あわてて紹介していきたいと思う。まずは、3月22日に新潟で行われた「国士舘大学男子新体操部演技会」から、今年の国士舘大学の集団演技「華」をとりあげたい。演技会のラストを飾ったこの集団演技は、今年も、国士舘の学生たちが自分たちで選曲し、振付も考えたものだ。昨年のジャパンのエキシビションで演じられた国士舘の集団演技「Colors」は、私の大好きな作品だった。いや、私だけではなく、あの演技を見た多くの人が、「感動した」と言った。そんな名作の翌年の集団演技となれば、普通にプレッシャーがかかるものだろうと思う。しかも、国士舘はこの新潟演技会は、3年生以下が出演することになっており、4年生は出ない。この年の国士舘の4年生は5人と人数も多いうえに、佐々木智生、弓田速未、小谷笙平、小川悟、池上朋宏という個性の強い、存在感のあるメンバーだった。この5人が抜け、新入生はまだ入ってきていない今回の新潟演技会は、部員13人と、昨年に比べたら少なくなっている。年に1回のこの演技会を楽しみにしている新潟の人たちに満足してもらえる演技が果たしてできるのか。一抹の不安はあった。が、結果的に、今年も国士舘の集団演技は、すばらしかった。人数が減っていたのにもかかわらず、それを「さびしい」とか「物足りない」と感じさせない工夫が凝らされており、おそらく、体力的にはかなりきつかったのではないかと思うが、彼らは演じきった。昨年の作品では、だれかがソロを踊っている間、周りの選手たちは座で待機、というシーンもあったように思うが、今年は、その「待ち」の時間がほとんどないように見えた。入れ替わり立ち替わりしながら、とにかく今回の作品では、どの選手もフロアにのっている時間、動いている時間がじつに長かった。聞けば、今回の作品は、学生たちで創作して、指導者はいっさい手直しもしていないのとのことだった。自分たちのことは、自分たちがいちばんよくわかっている。だから、できた作品のようにも思える。多彩な手具操作で見せられる選手もいれば、しなやかな動きで観客を魅了できる選手もいる。ぞくっとするほど動きを揃えられる選手たちもいる。高く高く宙に舞い、ダイナミックさを演出できる選手もいる。そういう「それぞれの強み」を、どうすれば最大限に発揮できるのか。それがよく考えられ、練られた作品だと感じた。メンバーの増減もあれば、個性も違う。それでも、毎回、こうして人の心を動かす作品を生み出す力は、すごいと思う。それはきっと、「能力」だけの問題ではないだろう。この新潟の演技会をよいものにしたい。満足してもらいたい、という気持ちが、国士舘の選手たちには、強いのだと思う。昨年は、インカレチャンピオン、全日本チャンピオンが久々に誕生し、よい年となった国士舘大学だが、この新潟の演技会が始まったころは、今の国士舘とはずい分、様子が違っていた。そのころから、この新潟では、国士舘の男子新体操が熱く迎えられ、温かい応援をもらっていたのだ。それが、励みになり、自信になった選手たちも多かっただろう。強くなってきた、強くなりつつある国士舘の、浮上のきっかけはこの新潟の演技会にあったのではないか。私はそう思う。新体操を長く見続けていると、目の前の試合でのすばらしい演技だけではなく、何年もかかって選手なりチームが変化していくさまを目の当たりにできることがある。ここ数年の国士舘大学の変遷を、つぶさに見ていられたことは、自分にとってはとても幸せなことだったと思う。そして、こんなことがあるから、新体操を見ることをやめられないのだ。私はいつまでこうしているのだろう。わからないけれど。新体操が好きだと思える限りは、なんらかの形で、きっと見続けるのだろう。そして、今年も国士舘の集団演技は、私にこう思わせてくれた。「やっぱり、新体操っていい。新体操が好き!」
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