Quantcast
Channel: 体操
Viewing all articles
Browse latest Browse all 1762

念願の華舞翔新体操倶楽部訪問

$
0
0
念願の華舞翔新体操倶楽部訪問 2月に発表会を見に行く予定だったのに(郡山までは行ったのに)、記録的な大雪のため、たどり着けなかった会津・喜多方。そして、華舞翔!あまりにも悔しかったので、せめて練習でも見に行きたい!という思いが募り、お決まりの夜行バス往復、現地0泊で行ってきた。この日は、喜多方の小学校で練習しているとのことで、取材に行かせてもらったが、練習会場は、とてもアットホームなあたたかい雰囲気だった。先生のお子さんも体育館でお昼寝していたり、リボンを振り回していたり。小さい男の子たちは、カメラを向けると、得意の柔軟を見せてくれたり。一見、こわそうに見える(失礼!)山田先生も、お子さんの前では優しいお父さんの顔だった。華舞翔新体操倶楽部の大きな特徴は、男女一緒に練習していることだろう。これは、案外少ないのだが、創設から10年で男女ともにめきめき力をつけてきたことを思うと、お互いにいい刺激を受けているに違いない。この日も、女子はバーレッスン、男子は個人演技の練習と分かれて練習していたかと思うと、合流して一緒にアイソレーションをやったりもしていた。アイソレーションは、むしろ男子のほうが練習に取り入れているところが多い。しかし、女子ではあまり行われていない印象があるが、昨年以降、難度以外のつなぎの動きもいちだんと重要になってきているため、男子といっしょにこういったレッスンを取り入れているのは、女子の練習としていいなあ、と感じた。また、女子のハードな柔軟や繊細なバーレッスンが傍らで行われていることは、男子にもよい刺激になるだろう。後半、男子は団体の練習に入ったが、そこから練習の雰囲気は一変した。ジュニア選手たち、なかには小学生もまじっているというのに、彼らは驚くほど意識が高く、自立した練習ができるのだ。山田先生は、ずっと体育館にいて、彼らの練習を見てはいる。分習が終われば、アドバイスもする。しかし、それもすべて、あくまでも選手たち主体という印象だ。先生に言われるから、ではなく彼らは、はっきりと自分たちの理想をもっているし、意思をもっている。団体で、または個人で、全日本ジュニアの常連チームになって久しい華舞翔。ジュニアではトップレベルの技術もあるが、それ以上に、「表現力」が話題になることが多い。小学生でも中学生でも、年齢以上に「訴える力のある演技」をする選手が多いのが、華舞翔だ。そして、そういう選手たちが6人集まった団体は。この日の練習で、タンブリングは抜いた通ししか見れなくても、すさまじい迫力だった。彼らの演技には、「伝えたいもの」がある。今はまだ「伝えきれて」はないかもしれないが、「伝えたい」という気持ちが痛いほどわかる。ただでさえ、自立した練習をしていた選手たちだが、練習の終盤になるとますますその色合いが濃くなった。ほとんど先生に指導を仰ぐことなく、自分たちでどんどん練習を進めていく。「もっとこうしたほうがいい」「ここ、ちょっと違うんじゃないか」お互いに指摘し合いながら、演技を詰めていくのだ。今年は、中3が3人いるので、彼らが中心になってはいるが、指導者に頼りきるのではない。それはまるで、それまでの練習で、先生から指摘されたこと、直してもらったこと、を自分たちで消化する時間、のようだ。「早く練習終わらないかな」というような空気はみじんもない。先生が厳しく見張っているわけでもない。彼らは、少しでもうまくなりたいと思っている。「練習」はそのためにできるただひとつのことだと知っているのだ。山田先生は言う。「子ども達だけで練習する時間をとることで、子ども達に意思をもたせることができれば、と思っています。そういう練習をしていてこそ、“何かを見せよう”という自分たちの意識がもてると思うし、伝えられると思っているので。」「表現力の華舞翔」と言われることが多いが、それは、体の線や動き、見せ方だけで出せるものではない。そういった形による「表現力」に偏るのではなく、「これを見せたい」という意思があってこそだと、山田先生は考えているのだ。今の中3は、創設以来の生え抜きで、すでに10年のつき合いだという。それだけに、彼らには、山田イズムがしっかり浸透しているように見える。まだジュニア、まだ中学生と侮ることなかれ。彼らの「伝える力」は、ホンモノだ。ユースチャンピオンシップ、そして全日本ジュニア。今年も華舞翔から目が離せない。

Viewing all articles
Browse latest Browse all 1762

Trending Articles