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国士舘大学男子団体 in 新潟

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国士舘大学男子団体 in 新潟 2014年3月22日、新潟市・鳥屋野体育館で行われた「国士舘大学男子新体操部演技発表会」では、男女新体操の素晴らしい演技が数多く見られた。今シーズンの国士舘の個人には、インカレチャンピオンと全日本チャンピオンがいて、それぞれに「さすが!」と思わせる演技を見せてくれた。また、昨年に続き集団演技も、男子新体操のよさを前面に出した素晴らしい作品で、「国士舘の集団演技」の評価を確立したように思う。そんな充実した演技会だったが、中でも、感慨深かったのは、国士舘大学の団体演技だった。4年生が抜けたメンバー。リーダーは、3年生の難波諒太。2年生の斉藤嵩、佐伯拳、牧田拓馬。1年生の榊原勝己、阿部紘大。演じるのは、昨年のジャパンで3位になったときの作品だ。昨年は、国士舘団体には苦難の年だった。一昨年に続き、東日本インカレでは、青森大学Bチームにも負けた。怪我人が相次ぎ、5人編成を余儀なくされた全日本インカレでは、仙台大学にも負けて、5チーム中最下位。1年生ながら、東からメンバー入りをした榊原は、一度も勝ちの味を知らないまま、11月のジャパンを迎えることになってしまった。いや、榊原だけではない。2年生の斉藤も、1年の東からメンバー入りしていたが、その年も、東では、青森ABに負け、全日本インカレでは、青森,.花園、そして福岡大にも負け、背水の陣でジャパンを迎えたのだった。しかし、斉藤が1年生だった2012年も、国士舘団体は、ジャパン決勝では目の覚めるような演技を見せ、1年間のうっぷんを晴らすような準優勝。そして、2013年もまったく同じ展開になった。ジャパンでの国士舘は、「1年間、ここに向けてやってきた」と言わんばがりのまとまりのある、精度の高い演技を予選、決勝と見せ、総合3位。圧倒的な強さを見せた花園大学には及ばないまでも、優勝争いにしっかりと食い込む力を発揮して見せた。思えば、この2年間、国士舘団体は、1年がかりでチームを仕上げてくる。もちろん、東インカレも、全日本インカレも捨てているわけではないのだが、うまく間に合わせることができず、結果的には、「ジャパン勝負」になっている。昨年のジャパンメンバーからは、4年生だった小川悟、池上朋宏が抜け、新しく入ったのは、2年生の牧田、1年生の阿部。2人ともがっしりとした体躯の選手で、タンブリングも強い。組みの土台としての安定感もある。このところ、小粒感が否めない国士舘団体にパワーを加えてくれそうな新メンバーだ。しかし、やっとジャパンで「仕上がった」チームの3分の1が変わる、というのはどうなんだろう? 一抹の不安とともに、私は、この日、カメラのレンズ越しに、この若いチームの演技を見ていた。フレームの中の彼らは、ちょっと驚くくらいよいパフォーマンスを見せていた。メンバー交代のビハインドはまったく感じられない。昨年は、怪我でほとんど表舞台に出てこれなかった牧田も阿部も、体つきそのままの堂々たる動きをしている。6人の動きも、気持ちいいほどよくそろっている。あまり凝った動きのない、体操らしいシンプルな演技構成が、これほどの一体感をもって演じられると、映える。審判目線とは違う面もあるかもしれない。より高い点数を求めるならば改善点もまだあるのだろうとは思う。しかし、間違いなくこの演技は、いい演技だった。「シーズン中、苦い思いをすることが多く、ジャパンだけやっと報われる」…そんな2年間を過ごしてきた彼ら。そして、自分の出番が回ってくるまでの待ち時間が長かった選手たちも。少しずつ、少しずつ「国士舘復活」に向けて歩みを進めてきたこのチームの一員として、素晴らしいまとまりを見せていた。作品もよかった。実施もよかった。だが、おそらく一番よかったのは、彼らの姿勢だ。「勝てる自信なんてない」・・・だからこそ持ち得るひたむきさ。「やればできる! 経験もした」・・・だからこそ、少し芽生えてきた自分を信じる力。驕ることはなく、未来を信じることはできる。今の彼らは、そんな風に見える。こういうチームは、きっと化ける。そう確信させてくれた、今回の演技だった。                                     

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