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Channel: 体操
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2014テレビ信州杯事前企画② 杏樹R.G.クラブ

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2014テレビ信州杯事前企画② 杏樹R.G.クラブ「無垢」 10月に長野県内のいくつかのクラブを訪問した。その中のひとつ、この「杏樹R.G.クラブ」は、千曲市の体育館を主な活動場所としているクラブだった。代表者である滝澤清己先生が、このクラブを立ち上げてから、10年ちょっとになると思う。このクラブの立ち上げ時のメンバーに知人がいたので覚えているのだが、長く続いているクラブの多い長野県の中では、比較的新しいクラブだ。しかし、立ち上げ当時の話を知人から聞いたこともあるが、もちろん、指導者や保護者の努力の賜物とはいえ、会員数の増えるのが早かったことには驚いたことを覚えている。冬の寒さが厳しい長野では、屋内スポーツが人気だとは聞いているが、それにしたって、だ。もともと長野には100人超規模のクラブチームがたくさんあるうえに、新しく立ち上げたクラブでも数年で100人超まで成長するということに、長野県での新体操の浸透ぶりを認識させられたことを思い出す。そんな杏樹R.G.クラブの練習を初めて見させてもらったのだが、このクラブの練習ぶりは、私が長野県に持っているイメージそのものだった。「生真面目で清々しく、すこしシャイ」私が訪ねた日、じつは杏樹R..G.は、発表会を目前に控えていた。そう聞いていたので、おそらく基礎トレーニングは軽めにして、演技練習、作品練習に入るのだろうと思っていた。ところが。練習はじめの挨拶が終わり、軽くストレッチをすると、バーレッスンが始まり、バーレッスンが続き、バーレッスン!!!それも、滝沢先生とサポートのコーチの2人がしっかりついて、子どもたちポーズの小さな歪み、ずれなどを修正していく。バーレッスンを単なる準備運動扱いにせず、しっかりと基礎つくりの時間と位置付けているレッスンぶりだった。それだけに子ども達も真剣だ。新体操をやっている子ども達の柔軟性、可動域をもってすれば、バレエの動きは、ともすれば簡単で楽なので、雑になってしまいがちだ。とくに年齢の小さい子ども達には、バレエの難しさや意義はわかりにくいので、適当に流れてしまう。退屈してしまう子も少なくない。しかし、このクラブの子たちのバーレッスンには、驚くほどの生真面目さがあった。「できるからいいもん」ではなく、よりよく、より正しく、という意識をもって取り組めているのだ。その後の柔軟やアップを見ても、その生真面目さは変わらなかった。できることもできないことも、得意なことも苦手なことも。彼女たちは、じつに真剣に取り組んでいた。たとえ歩みが遅くても、地道に進んでいくことの大切さを知っている練習ぶりだ、と感じた。それは、指導者の姿勢を映しているのだろう。と、私は感じた。杏樹R.G.クラブは、残念ながら、長野県内ではまだ「強いクラブ」とは言えない。クラブのレベルは着実に上がってきていることはたしかだが、なにせ今の長野は強い。ほかのチームの強さの前に、まだ結果は出せずにいる、というところだろう。それでも。いや、だからこそ、なのかもしれないが。「基礎を疎かにすることなく、どの子もしっかり見る」という基本的な部分を、本気で大事にされている指導者であり、クラブなのだということがこの日の練習ぶりから伝わってきた。ここのクラブの子どもたちは、人間として、新体操選手として、「一番大切なこと」を、日々教えられているのだ、と思う。それは、大会での結果や点数に現れるものではないので、ときには価値を見失いそうになるかもしれないが、なくてはならないものだ。発表会が近いのなら、とりあえずは目先の発表会作品の完成度を上げる練習にしてしまうこともできるだろうに。それでも、「これだけはやっておかねば」と、思うことがこんなにもある指導者。おそらく、試合前でもこうなんだろう。目先の試合で結果を出すためのやり方、というものはたしかにある。それを知らないわけでもないだろうが、それを選択はしない指導者なんだろうと思う。そして、「試合の結果最優先」ではないからと言って、手を抜いたり、あきらめたりは絶対にしない指導、だということもよくわかる。自分のクラブでやっている間に、もしくは新体操をやっている間に結果が出なくても、絶対に子ども達の力になるものを、じっくりとつけていく、そんな指導を、じつに根気よくやっているのだ。短い期間で、会員数が増えたのも納得だ。このクラブは、おそらく親が安心して子どもを預けられるクラブなのだ。新体操の技術はついたけれど、大会で結果は出せたけれど、心や体を病んでしまうようなこともなく。自分に力がついた分、できない子を見下すようなこともなく。日々、自分なりの成長を少しずつでもしていけるように。そんなごく当たり前の目標に向かって、その子なりのペースで進んでいく。努力することや、仲間を大事にすることの大切さを知る。親なら子どもに望むだろう、そんなことを実現してくれるクラブなのではないか。強豪クラブでは、ない。それでも、こんなにも存在意義を感じさせる指導をしているクラブがある。そんなクラブが存続し、発展もしている。長野の新体操の奥深さを、ここでも感じることができた。※ジムラブに「2013全日本選手権/花園大学VS青森大学」をアップしました。 http://gymlove.net/rgl/topics/report/2013/12/14/2013vs/※ジムラブに、「豊田国際1日目レポート」をアップしました。 http://gymlove.net/gl/topics/report/2013/12/14/post-14/

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