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2013インカレレポート③ 仙台大学男子団体

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2013インカレレポート③ 仙台大学男子団体鮮やかな復活劇だった。本当に久しぶりに6人での団体で全日本インカレに出場した仙台大学は、予選、決勝とも大きなミスなく演技をまとめ、4位で堂々のジャパン進出を決めた。予選17.625、決勝17.700。東日本インカレでは、リーダーの佐藤史弥を号泣させた17点台を、当たり前のように出し、18点台も見えてきた。彼らは、単に「6人でインカレに出場できた」だけでなく、次のステップへの足場かためにも成功したと言えるだろう。佐藤史弥は、個人にも出場していたが、男子では今大会唯一の個人、団体兼任選手だった。体力、気力ともに、かなりハードだったに違いないが、彼の個人演技はどれも、ミスを最小限におさえた、よい集中の見える演技だった。さらに、どの種目もとても楽しそうだった。大学最後の夏に、個人と団体の両方でインカレに出場できていること、そのことを彼がどんに嬉しく、誇らしく思っているかが伝わってくる、そんな笑顔が演技中にこぼれていた。しかし、最終種目のクラブだけは違った。それまでのニコニコ楽しそうな表情とは一変して、「花は咲く」にのせて、どこまでも静かに、やさしく踊る彼の表情は、崇高にさえ見えた。困難に負けない静かな闘志が、やり切った充足感が、その演技からは伝わってきた。演技の最後に、彼が2本のクラブのうちの1本をフロアに立てて、それを包む込むような姿を見せたとき、おそらく多くの人には、このクラブが、荒野にやっと咲いた花に見えたのではないかと思う。私にもそう見えた。そして、この「やっと咲いた1輪の花」は、佐藤史弥にとっては、この仙台大学の男子新体操部なんじゃないかと思った。どんなに厳しい条件のもとでも、しっかり花を咲かせることができる。そんな強さをもったチームを、彼は作った。だから、そのチームが、折れることなく、踏みつけられることなく、咲き続けられるように。そんな祈りが、あの演技から伝わってきた。そして、彼のその祈りが通じたかのような、今回のインカレでの仙台大学の団体演技だった。佐藤の強く、深い思いを継いで、これからの仙台大学がどんなチームに成長していくのか、見守りたいと思う。                                            <撮影:清水綾子>※2013全日本インカレ 仙台大学団体演技 http://www.youtube.com/watch?v=N1w-kwQGQpI&feature=c4-overview&list=UURwQOtw3u0nZBCA_agw-88g※ジムラブに、「2013全日本インカレ女子団体優勝 東京女子体育大学」をアップしました。http://gymlove.net/rgl/topics/report/2013/08/30/2013-51/

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